
また出荷調整…。
卸に電話をかけても、
- 出荷調整で入荷未定…
- 薬が揃えられなくて患者はイライラ…
——このような経験ありませんか?
そんな毎日が何年も続いていたら、疲れて当然です。



そもそも私たちにはどうすることもできないですしね
私自身、管理薬剤師として出荷調整対応に追われています(現在進行形)。
その経験から言えるのは、出荷調整で疲弊するのは個人の能力不足ではなく、業界構造の問題だということです。
本記事では、医薬品の出荷調整に追われて疲弊している薬剤師に向けて、
をお伝えします。
この記事を読めば、「明日から使える負担軽減策」と「限界を感じた時の動き方」がわかりますよ。



まずは、毎日の在庫管理お疲れ様です。
ぜひ最後までご覧くださいね!


本サイトでは、
- 環境に左右されない
- 理想の働き方を実現する
「生き方上手な”賢い”薬剤師」になることを目指しています。
「将来このままでいいか不安だな、、」という方は、別の『生き方上手な”賢い”薬剤師の魅力』も合わせてご覧ください。


3000品目超の出荷調整|薬剤師が疲弊するのは当然





出荷調整がしんどい…



それもそのはずです
厚生労働省の発表によると、医療用医薬品のうち約2割にあたる3000品目以上が出荷調整・供給停止の状態にあるからです。
ただ、現在は改善傾向にあり、全医薬品の約13.2%に落ち着いてきています。
しかしながら、依然として通常通りの営業に戻り切れないストレスが常態化しています。
| カテゴリ | 品目数 | 構成比 |
| 通常出荷 | 14,724 | 86.8% |
| 限定出荷 (自社・他社影響含む) | 1,054 | 6.2% |
| 供給停止 | 1,180 | 7.0% |
| 合計 (供給不安品目) | 2,234 | 13.2% |
出典:医療用医薬品の供給状況に関する情報(厚生労働省)、医薬品供給状況にかかる調査(日薬連)



次の章から実際にあった「出荷調整でつらい事例」を紹介していきます↓
出荷調整で薬剤師が消耗する4つの場面


「出荷調整がしんどい」と一口に言っても、
- 患者対応がしんどい…
- 取り寄せる手間がしんどい
など消耗する場面は一つではありません。
ここでは、現場の薬剤師が特に疲弊する4つのパターンを紹介していきます。
出荷調整時の対策については後述の『負担を減らす対策5選』で紹介しています。
気になる方は、あわせてご覧くださいね。
①卸に電話しても「在庫ありません」の連続


処方箋を受け取って在庫を確認すると、出荷調整品…。
どの卸にかけても電話すると「在庫ありません」と言われてしまう——。
そんな状況になっているとも知らない患者は、



いつまで在庫の確認しているの!!
とこちらに対して不信感が募っていきます。
これらの3つのストレスの繰り返しが、地味に精神を削っていくことになりますよね。
- 時間がかかる…
- 断られ続ける…
- 患者を待たせてしまう…



処方箋を受け付けるたびに「今回の処方箋の薬は揃うかな…」と毎回ドキドキしながら対応することになりますよね(→私です)
②代替薬を探して疑義照会→医師に嫌がられる


在庫がなければ代替薬を提案するしかありません。
そこで悩ましいのが医師への疑義照会。
医者の中には「この薬がいいから処方している」とのことで、提案を断られてしまうこともあります。



この医者⇔患者の板挟み、つらいですよね…
また、出荷調整の事情を十分に把握していない医師も少なくありません。
そのため、出荷調整で手に入らない薬をバンバン処方してくる門前薬局は発狂ものです。
③患者に「なんで薬が変わるの?」と責められる





前と同じ薬がほしい
なんでいつも変わるの?



できるならそうしてるよ…
出荷調整の説明は患者からすると「薬局の都合」に見えてしまいます。
どれだけ丁寧に説明しても納得してもらえないことがあり、「自分のせいじゃないのに…」という無力感が積み重なります。
特に高齢の患者さんは「薬が変わること」自体に強い不安を感じるため、説明にも時間がかかり、さらに消耗します。
④日替わりで変わる供給状況を追い続ける消耗


出荷調整の情報は日々変わります。
昨日まで普通に入荷していた薬が突然止まる。
この選択肢がだんだんと狭まっていく感覚もストレスになります。



常に頭の片隅で在庫を心配し続けることになりますからね…
通常の調剤業務だけでも大変なのに、
● 供給状況のチェックや卸への確認
● 代替薬の検討
などが上乗せされる。
この本来の仕事ではない業務が、じわじわと体力と気力を奪っていきます。
私が出荷調整対応で限界だった時の話|管理薬剤師の体験談


ここまで書いてきた4つの場面、すべて私自身が経験してきたことです。
ここでは出荷調整が絡む特につらかった私の体験談を紹介します。



結構リアルな話なので、心に余裕のない方は「こちら」から負担を減らす対策にスキップできます
それは応援先での出来事でした。
向かったのは、一度も足を踏み入れたことのない遠方の店舗。
事前の聞き取りでは「薬剤師2名、事務2名」の体制だと聞いていました。
ところが、いざ到着してみると現実は残酷でした。
薬剤師1名と事務1名が急な病欠。
さらにもう一人の事務員は、連絡もつかない無断欠勤。
広い店内に残されたのは、右も左もわからない私一人だけでした。



お待たせして申し訳ありません
と何度も頭を下げながら、どこに何があるかも把握できていない棚から薬を探し、必死に調剤をこなしていました。
精神的な疲れがピークに達した閉局間際、
その事件は起こりました
持参された処方箋には7種類の薬。
しかし、そのうち4種類が「出荷調整」の影響で欠品していたのです。
卸さんへの連絡もつかない深夜の時間帯…。
丁寧に入荷を待っていただくよう説明しましたが、返ってきたのは心ない言葉の刃でした。



いつもならすぐ出せるでしょ
あんたの能力が低いだけじゃないの?
正社員じゃなくてバイトでしょ?
その程度のレベルだよね
など説明している間、ずっといびられ続けました
目の前が真っ暗になるような感覚…
出荷調整という、自分一人の力ではどうにもできない業界の荒波。
それが、なぜか「私の無能さ」として突きつけられる理不尽。
この出来事の後2日間はほとんど寝れなかったのを覚えています。
「もう二度と、ここには来たくない」 そう心に誓わずにはいられないほど、私は消耗しきっていました。
出荷調整の負担を減らす5つの実践対策


出荷調整そのものは個人では止められません。
しかし、
- 事前準備やツール
- ちょっとした対応のコツ
を知っていれば対応にかかる手間とストレスを減らすことはできます。



明日からすぐに実践できるものばかりなので、気になるものから読んでみてくださいね
①供給情報ツールを活用する


出荷調整の情報を毎回メーカーサイトで検索するのは時間と気力を使います。
そんな時は、供給情報ツールを使用するのが賢い選択です。



意外とみんな使っていますよ!
おすすめは「DSJPの医療用医薬品供給状況データベース」。
広告が多めですが、有料プランにすれば広告もなくなります。
試しに「ディレグラ」と検索してみました↓


すると、以前は販売停止でしたが、通常出荷に戻っていることが確認できます。(2026.5月時点)
このように何か問題が起きた時の対処ツールを予め準備しておくと、対応が楽になります。
②よく出る薬の代替薬リストを事前に作っておく


「在庫不足で疑義照会……」というタイムロスを仕組みで解決しませんか?
近隣クリニックの処方パターンを分析し、あらかじめ代替薬リストを作成しておくと業務がスムーズになります。
例えば、以下のような案を医師と事前に合意しておくということです。
| 処方薬 | 代替薬 |
|---|---|
| アスベリン | メジコン |
| フロモックス | メイアクト |
さらに、変更について「事後のトレーシングレポートで報告する」提案をしてみるのもおすすめです。
これにより、
- 医師側:診察を中断されるストレス
- 薬剤師側:確認待ちの拘束時間
などの問題を同時に解消できる、三方良しの解決策になります。
③疑義照会のテンプレートを用意しておく


大きい病院ではFAX疑義であることも多いです。
そんなときのために、疑義紹介のテンプレートを作っておくと便利です。
また、以下の情報をテンプレートにしておくことで、電話でもFAXでもスムーズに伝えられます。
● 対象薬の名称・規格・メーカー
● 出荷調整の状況(限定出荷 or 供給停止)
● 代替薬の候補(1〜2つ提案)
● 変更の可否を確認したい旨



テンプレートがあると、何を伝えればいいか考える」負荷がなくなり、対応のスピードも上がりますね!
④患者への説明フレーズを定型化しておく


出荷調整の説明で一番消耗するのは毎回ゼロから言葉を選ぶことです。
そんな時は、説明フレーズを用意しておくと便利です。



定型フレーズを用意しておけば、感情のエネルギーを節約できます!
説明フレーズ:例
現在、メーカーの製造が追いついておらず、全国的にこのお薬が不足しております。
同じ成分のお薬なら当局に在庫があります。
そのため、この薬に変更ができるか、私から先生に提案させていただいてもよろしいでしょうか。
最終的には先生にご判断いただきますので、○○さんの症状に合わなければ、OKは出ませんのでご安心ください。
ポイントは、患者さんに
「薬がない中で、
何とかあなたの症状を
改善させてあげたいんだ!」
という気持ちを伝えることです(思っていなくても)。



よくある質問についての回答も考えておくと、よりスムーズに案内できますよ!
⑤卸の担当者と「困った時の相談ルート」を作る


卸の担当者に直接相談してみるのも一つの手です。
主に管理薬剤師が担当しますが、普段から卸の担当者と関係を作っておくと、



正規ルートでは在庫なしだけど、少量なら回せるかもしれない
といった柔軟な対応を引き出せることもあります。
担当者にも販売ノルマがある場合もあります。
ノルマ達成を助けてあげると交渉しやすいこともありますよ
出荷調整はまだ続く|あなたの会社の対応は大丈夫?


医薬品の出荷調整は、短期的には解消しません。
● 薬価制度の構造的な問題…
● 生産設備の拡張は時間がかかる…
など来月、再来月に急に良くなるという見込みはないのが現実です。
そんな出荷調整で業界が揺れる今、しっかり見ておいてほしいものがあります。
それは
会社がどんな方針で現場を動かしているか
です。
今回の出荷調整のような、大きな問題についての会社の方針は、その会社の価値観が大きく反映されます。
今後も大きな問題が発生したとき、その方針の根本や価値観は変わらないことが多いです。
今感じる不安は今後も続く


今回の出荷調整対策の指示について、
● 現場のことをわかっていない…
● この指示は会社としておかしい気がする…
その感じた不満は、今後も繰り返される可能性が高いです。
そのため、
● 次に同じことがあっても納得できるか
● それとも転職のきっかけにするか
——今のうちに自分の基準を持っておくことが重要です。
本サイトでは”生き方上手な賢い薬剤師”になるための情報を発信しています。
関連記事や転職エージェントへの相談も活用しながら、今の場所以外の選択肢を持っておきましょう。
今取り組んだことが、これからのあなたの”賢い選択”に繋がりますよ。
▼会社のせいなのか迷う場合はこちらの『会社が原因か判断方法』をご覧ください。


▼エージェント相談が気になる方は『薬剤師特化エージェント5選』もあわせてご参考下さい。


よくある質問(FAQ)


ここからは、出荷調整に関する薬剤師のよくある悩みに回答していきます。
- 出荷調整はなぜこんなに長引いているのですか?
- 出荷調整品が多すぎて把握できません
- 卸に在庫がないと言われたらどうすればいい?
- 代替薬への変更を医師に嫌がられます
- 患者に「なぜ薬が変わるの」と聞かれた時の答え方は?
- 出荷調整の情報をリアルタイムで追う方法はありますか?
- 一人薬剤師で出荷調整対応がつらいです
- 出荷調整が少ない薬局はありますか?
- 出荷調整のストレスで辞めたいと思うのは甘えですか?
- 出荷調整はいつ頃解消される見込みですか?
- 出荷調整はなぜこんなに長引いているのですか?
-
2020年に発覚したジェネリックメーカーの品質不正が発端です。
複数メーカーの製造停止により他社に注文が集中し、供給不足のドミノ倒しが発生。
生産設備の拡張には数年かかるため、根本的な解決にはまだ時間がかかります。
- 出荷調整品が多すぎて把握できません。効率的な方法はありますか?
-
DSJPの供給状況データベースのメール通知や、薬剤師有志が運営するまとめサイトを活用すると、自分で調べに行く手間を減らせます。
自店舗でよく出る薬に絞って重点チェックするのも現実的な方法です。
- 卸に在庫がないと言われたらどうすればいいですか?
-
まず複数の卸に確認し、それでもダメなら代替薬の提案に切り替えます。
普段から卸の担当者と関係を作っておくと、柔軟に対応してもらえることもあります。
事前に代替薬リストを準備しておくのが最も効果的です。
- 代替薬への変更を医師に嫌がられます。どう伝えればいいですか?
-
「○○が出荷調整中のため、同成分の△△への変更をご検討いただけますか」と、代替薬名まで具体的に提示するとスムーズです。
疑義照会のテンプレートを用意しておくと、毎回の説明負担が軽減できます。
- 患者に「なぜ薬が変わるの」と聞かれた時の答え方は?
-
「メーカーの製造が全国的に追いついておらず、同じ成分の別のお薬をご用意しました」と伝えましょう。
「薬局の都合」ではなく「全国的な問題」であること、「効果は同じ」であることを明確に伝えるのがポイントです。
- 出荷調整の情報をリアルタイムで追う方法はありますか?
-
DSJPの医療用医薬品供給状況データベースが最も網羅的です。
日経DIの供給状況ニュースや、薬剤師有志が運営するまとめサイトも併用すると効率的です。
メール通知を設定しておけば、自分から見に行く手間を省けます。
- 一人薬剤師で出荷調整対応がつらいです
-
一人薬剤師は卸への電話・疑義照会・患者説明をすべて一人でこなす必要があり、消耗が桁違いです。
代替薬リストと説明テンプレートの事前準備で「考える時間」を減らすのが最優先です。
それでも限界なら、複数人体制の薬局への異動・転職も選択肢に入れてください。
- 出荷調整が少ない薬局はありますか?
-
あります。門前の科目によって処方される薬の種類が限られるため、出荷調整の影響が小さい薬局は存在します。
また、本部が在庫管理を集約して店舗の負担を減らしている会社もあります。
こうした情報は転職エージェントに聞くのが一番確実です。
- 出荷調整のストレスで辞めたいと思うのは甘えですか?
-
甘えではありません。
出荷調整は業界の構造的な問題であり、現場にしわ寄せが来ている状態です。
その負担が限界に達しているなら、環境を変えることは正当な選択です。
「出荷調整の対応負担が少ない職場」をエージェントに相談してみてください。
- 出荷調整はいつ頃解消される見込みですか?
-
残念ながら、短期的な解消は見込めません。
生産設備の拡張には年単位の時間がかかり、薬価制度の構造問題もあります。
「いつか良くなる」を待つよりも、今の自分の負担を減らす対策や環境選びに目を向けるほうが現実的です。
まとめ|出荷調整に疲れるのは、あなたが真面目に向き合っている証拠
出荷調整に毎日向き合っているあなたは、非常に真面目で責任感のある薬剤師です。
そんなあなただからこそ
ことが心身健康で仕事をする上で非常に大切です。
毎日の業務で大変ではありますが、こんな時期だからこそ、周りに目を向けてみましょう。
ぜひ自分の働き方を見直すきっかけにもしてみてくださいね。
▼会社が悪いのか迷う場合はこちらの『会社が原因か判断方法』をご覧ください。


▼エージェント相談が気になる方は『薬剤師特化エージェント5選』もあわせてご参考下さい。


本サイトでは、
- 環境に左右されない
- 理想の働き方を実現する
「生き方上手な”賢い”薬剤師」になることを目指しています。
「将来このままでいいか不安だな、、」という方は、別の『生き方上手な”賢い”薬剤師の魅力』も合わせてご覧ください。


