鑑査が遅いと感じて、

薬剤師に向いていないのかな…
周りに迷惑をかけているのでは…
と不安になったことはありませんか?
実際、口コミや現場の声を見てみると、
早くしたい気持ちはあるけれど、ミスなく見たい。
なので、どうしても時間がかかってしまう…
このように、慎重になるあまり、思うようにスピードが上がらず悩む方は少なくありません。
ですが、鑑査が遅い原因は、能力や向き不向きではなく、
● やり方
● 環境
にあるケースがほとんどです。
実際に私自身も、鑑査スピードに悩みながら試行錯誤を重ね、
を整えることで、正確性を保ったまま無理なく改善してきました。
この記事では、新人〜中堅薬剤師の方に向けて、
を現場目線でわかりやすく解説します。
もし鑑査が遅い原因が
● 人員不足
● 過剰なスピード要求
● 高圧的な職場風土
などの環境的要因にある場合があります。
この場合は、いくら個人で工夫しても状況が改善しにくいことがあります。
当てはまっていると感じるなら、記事後半の『環境要因の対処法』からご覧ください。


鑑査が遅いから薬剤師に向いていない?──むしろ「向いている」と言える理由


鑑査が遅いからといって



自分は薬剤師に向いていないのでは…
と感じる必要はまったくありません。
むしろ鑑査は、薬剤師業務の中でも患者さんの安全を守る最重要ポイントです。
そのため、慎重になるのは当然のことです。
なので「遅い=薬剤師に向いていない」と思わなくて全然大丈夫です。



スピードを優先するあまり確認が疎かになってしまっては、本末転倒ですよね。
薬剤師で鑑査が遅いと感じてしまう時の9つの原因
鑑査が遅いと感じるなら必ず理由があります。



とにかく早くしなきゃ…
と焦るのではなく、
● 正確性を保ったまま
● 鑑査をスムーズにできるか
を考えることが大切です。
ぜひ自分に当てはまる原因を探してみてくださいね。
- 新人薬剤師だから
- 周りがベテラン薬剤師ばかり
- しっかり見たい性格
- 見るたびに最初から鑑査してしまう
- 作業順番が決まっていない
- 鑑査台が散らかっている
- 鑑査台が狭い
- 鑑査にかける時間の優先順位が整理できていない
- その薬局についての知識不足
新人薬剤師だから


鑑査が遅いと感じてしまう原因の一つは、あなたが新人薬剤師であることです。
これは能力の問題ではなく、経験がまだ十分に積み重なっていないだけ。
むしろ、新人のうちは、
● 早さよりも
● 正しく理解しながら進める
ことのほうが、はるかに重要です。
最初は丁寧に鑑査するように心がけていけば、自然と早くなっていきますよ。
周りがベテラン薬剤師ばかり


周りがベテラン薬剤師ばかりの環境では、そのスピード感を比較してしまい、



自分は鑑査が遅いのではないか…
と感じてしまうことがあります。
こうした店舗は、
● 処方箋枚数が多い
● ハイリスク処方が集中
など鑑査にかかる緊張感も高く、ストレスを感じやすい傾向にあります。
その結果、



急がなければ…
ミスをしてはいけない…
という焦りと不安が重なり、余計に鑑査が遅く感じてしまうことも少なくありません。
● 本記事の対策で食らいつく
● ベテラン職員の真似をする
● ベテラン職員から教えてもらう
などの対策が有効です。
ただし、ベテラン職員が
- 排他的
- 高圧的な雰囲気
だった場合は環境要因の可能性があり、個人での対策は困難なことが多いです。
当てはまる方は『環境要因の対処法』の対策をご覧ください
しっかり見たい性格





しっかり確認したい!
一つずつ丁寧に見ないと不安…
という、几帳面さや心配性の傾向がある方は、鑑査が遅いと感じやすいことがあります。
これは能力の問題というより、慎重さを大切にする性格の影響が大きいケースです。
該当する方は、このあと紹介する『鑑査が早くなる対策』をぜひ試してみてください。
紹介する対策は、
● 手順の工夫
● 仕組みの工夫
が中心のため、性格そのものを変える必要はまったくありませんよ。
職場によっては
● とにかくスピード最優先
● 遅い人は評価されにくい
といった風土が根付いている場合もあります。
もし原因がこうした環境要因にあると感じた場合は、
詳しくは、このあと『環境要因の対処法』で解説します。
見るたびに最初から鑑査してしまう


- 処方内容の鑑査を終えて
- 薬袋の確認に進んだにもかかわらず、
- また最初から処方内容を見直してしまう─
このように、毎回最初から鑑査をやり直していると、どうしても時間がかかってしまいます。
このケースは、自分なりの
● 鑑査の順番
● 優先順位
がまだ確立できていないときに起こりやすいです。



再確認そのものはもちろん大切な行為です
作業手順が決まっていない


鑑査が遅い理由に鑑査の作業手順が決まっていないことも挙げられます。
鑑査手順が決まってないと
- 毎回ばらばらの流れ
- マルチタスク
- どこまで確認したか分からなくなる
- さっき見たところが不安になる
など結果として鑑査時間が長くなってしまいます。



ミスするリスクも高くなるので注意が必要です
● マニュアルを守る(あれば)
などの対策が有効です。
これなら一つのタスクを区切りよく終えられます。
そのため、途中で別の対応が入っても



ここまで終わったから、
次はこの鑑査だ!
と自分で把握しやすくなります。
結果として、無駄な確認のやり直しが減り、鑑査が効率よく進みます。
鑑査台が散らかっている


鑑査台が散らかっていることも業務が遅くなる原因の一つです。
いざ鑑査をするときに
- 筆記用具や輪ゴム等が散乱
- 次の鑑査カゴが置いてある
- 薬の空箱が残っている
という状態だと「目が散って」鑑査に集中できません。
その結果、鑑査時間に時間を要するケースが発生します。
これだけ意識すると驚くほど効率は良くなります。



ぜひ実際にやってみてくださいね
頭の中が整理されている感覚を実感でき、無駄な迷いが減ることでミスも起こりにくくなります。
- 正確性
- スピード
の両方を高められる、おすすめの方法です。
鑑査台が狭い


鑑査スペースが狭いと、鑑査が遅くなる原因になります。
- 鑑査物が重なりやすく
- 視界や動線が乱れる
など確認に余計な時間がかかってしまいます。



私もPCキーボードほどのスペースで鑑査したこともあります…
という対策が有効です。
鑑査台の整理は、
- 今すぐ取り組めて、
- すぐに効果を実感しやすい
対策です。
原因が鑑査台の環境にあると感じたら、まず最優先で実行することをおすすめします。
鑑査にかける時間の優先順位が整理できていない


鑑査にかける時間の優先順位が整理できていない場合、鑑査が遅くなることがあります。
例えば、
● 長年の既存患者さんのDO処方の単剤
● 新規患者さんの複数初処方
を「同じ深さ」・「同じスピード」で鑑査しているケース。
DO処方であっても先入観なく確認することは大前提です。
しかし、すべてを「初めて見る処方」と同じ感覚で鑑査すると、かえって鑑査スピードが落ちてしまうこともあります。
その薬局についての知識不足


その薬局に関する
● 在庫している薬
● よく来る処方内容
などを把握できていない場合、鑑査スピードが遅く感じることがあります。
薬局によっては、来局する病院や処方内容、使用頻度の高い薬がある程度決まっています。
それを把握していないと、処方に慣れているスタッフと比べて自分だけ鑑査が遅いと感じてしまう原因になりやすいのです。
監査を早める対策
ここからは、鑑査をスムーズに進めるためのコツをいくつか紹介します。
すべてを一度に取り入れる必要はなく、



これが足りていないかも



ここが原因かもしれない
と感じるものから、ぜひ気軽に試してみてくださいね。
- 薬局に在庫している薬の把握する
- よく来る処方内容の把握する
- 鑑査項目ごとの所要時間の把握する
- 見逃しやすい鑑査ポイントを可視化する
- 思考が途切れない鑑査の順序を作る
- 鑑査ポイントの重みづけを意識する
- 鑑査中のマルチタスクをやめる
- 鑑査台を整理する
薬局に在庫している薬の把握する


薬局に常時在庫している薬を把握しておくことは、鑑査スピードを上げるうえでとても有効です。
特に、
● 在庫数が多い薬
● 数錠ずつ輪ゴムでまとめて保管されている薬
は、使用頻度が高いケースが多く、あらかじめ把握しておくことで、鑑査時の迷いが減ります。
また、その薬局で



この薬、見たことないな!
という品目に出会った時は、その都度「どんな薬か」を意識して覚えておくことも大切です。
こうした薬の特徴や位置を把握しておくことで、
次に処方が来た際の対応がスムーズになります。
よく来る処方内容の把握する


よく来る処方内容をあらかじめ把握しておくことも鑑査スピードには重要です。
特にクリニックの場合、医師が一人で診療していることも多く、
● 処方の考え方
● 薬の選び方
に”一定の傾向やクセ”が見られることがあります。
こうした傾向を知っておくことで、実際に処方が出た際の確認ポイントを事前に整理することができます。



迷いが減る分、鑑査をスムーズに進めやすくなりますよ
鑑査項目ごとの所要時間の把握する


● どの鑑査項目に
● どれくらい時間がかかっているのか
を把握することも鑑査時間短縮に効果的です。
そうすることで、自分がどこに時間を使っているのかが明確になり、効率よく対策を立てられます。
以下に2つの対策を紹介します。
\対策①、②をタップで切り替えられます/
ストップウォッチを使って、
実際の鑑査にかかった
時間を測ってみる
そうすることで、鑑査時間が可視化され判断がつきやすくなります。
対策時は
- 単剤の処方箋
- 複数薬剤の処方箋
の両方で計測すると、より違いが分かりやすくなりますよ。
これらの方法は、最初は少し手間に感じるかもしれません。
しかし、一度行うだけで原因と改善点がはっきりするため、とても有効です。
その後の鑑査スピードは格段に上げやすくなりますので、ぜひ一度、試してみてください。
見逃しやすい鑑査ポイントを可視化する


自分が間違えやすいポイントを把握し、重点的に対策することも効果的です。
結果として鑑査スピードを上げられる可能性があります。
例えば、
● 患者さんの生年月日を見逃しやすいなら、
● 生年月日の確認箇所に鉛筆で丸を付ける
といった工夫が有効です。



え?これだけで変わるの?
と思われるかもしれませんが、意外と大きい効果をもたらします。



確かにそう感じますよね。
でも、意外と効果は大きいです!
これによって、
● 確認漏れを防ぎやすくなる
● 迷いが減る
というメリットがあります。
さらに、最終鑑査後にもう一度軽く見直す際も、
丸が付いていれば



ここはしっかり確認したな!
と視覚的に判断できるため、無駄な見直しが減り、鑑査をスムーズに進めやすくなります。
鑑査の順番を決めて、思考の流れを整える


思考が行ったり来たりするような非効率な確認方法を見直すことで、鑑査スピード改善に役立ちます。
その時に気を付けることは、
- 目線と思考の流れが途切れないこと
- 重要度の高い確認が先であること
の2点を意識した順番にすることです。
こうすることで、
- 今どこまで確認したか
- 次に何を見るか
が明確になり、重要度を意識しながら体系的に鑑査しやすくなります。
また、重要な順に鑑査することで、



最後の最後で疑義を見つけた。
また最初から鑑査しなきゃ…
といった、作業のやり直しを防ぐことができるのもメリットです。
最終鑑査後にもう一度確認する場合などは、
一度別の作業を挟んでもよいでしょう。
そうすることで、新しい視点で見直すことができます。
状況に応じて、
● 流れを止めない鑑査
● 視点を切り替える再鑑査
をうまく使い分けてみてください。
鑑査ポイントの重みづけを意識する


処方内容のリスクや背景に応じて、鑑査ポイントの重みづけを意識することです。
● 新規・変更・複数薬剤の処方
● ハイリスク薬や相互作用が懸念される処方
には、より丁寧に時間をかける。
一方で、リスクが比較的低い処方では、確認すべきポイントを押さえたうえで、流れを意識して進める。
このように優先順位を整理することで、
- 安全性を保ちながら
- 鑑査全体のメリハリがつく
ため、「どこに時間をかけるべきか」が明確になります。
その結果、鑑査スピードを無理なく改善しやすくなります。
DO処方であっても先入観を持たずに確認することは大前提です。
ポイントは、手を抜くことではありません。
処方内容のリスクや背景に応じて、鑑査の重みづけを意識することです。
鑑査中のマルチタスクをやめる


- 電話をしながらの鑑査
- 他の調剤作業を同時に進める
これらは、集中力が分散し、かえって鑑査が遅くなることがあります。
鑑査では、意識的にマルチタスクを避ける工夫が必要です。
具体的には、
- 鑑査の順番を崩さず、一つずつ進める
- ”ここまで終わったら次へ”→区切りを明確に
- 途中で別作業を挟まない
- 可能な範囲で鑑査を優先
の4点を意識してみましょう。
また、業務中は周囲から話しかけられて中断されることも少なくありません。
今やっているタスクをキリのいいところまで終えてから対応するようにしましょう。



ここまで確認してから対応します
と一言添えるだけでも、周りの理解は大きく得やすくなります。
また、自分自身もどこまで鑑査が終わっているかを把握しやすくなり、
● 再開時の迷い
● 確認のやり直し
を減らすことができ、鑑査の効率を高めることができます。
鑑査台を整理する


鑑査台を、
- 広く
- できるだけ何も置かない
状態にすることはとても重要です。
視界に入る情報が減ることで、目が散らばりにくくなり、鑑査に集中しやすくなります。
ただし、鑑査台が散らかっている場合は、
● 棚の散乱
● ファイルの散乱
など周辺環境全体が整理されていないことも多いです。
そのため、
- まずは、鑑査台の整理を最優先
- 棚や書類など根本的な部分も少しずつ整理
していきましょう。



一気に完璧を目指す必要はありません。
ゆっくりでも環境を整えていくことで、鑑査のしやすさは確実に改善していきますよ。
そもそも鑑査が早くなれば問題は解決するのか?


ここまで、自分の工夫で鑑査を早くする方法を紹介してきました。
では、そもそもなぜ鑑査スピードを上げたいと感じているのでしょうか。
● 患者さんに指摘された…
● 自分自身で遅いと感じた…
● 周囲の薬剤師からのプレッシャー…
など、理由は人それぞれだと思います。
もしその原因が自分でも納得できる課題であれば、本記事の対策により、事態は改善する可能性があります。
一方で、原因が
● 職場の雰囲気
● 職場の労働環境
● 人員体制
などの環境要因にある場合、自分だけが変わってもストレスが続いてしまうこともあります。
特に人間関係で悩まれている方は、別の『薬剤師の人間関係が辛い時』の記事をあわせてご覧ください。


原因が環境要因にあるときの対策


原因が環境要因にある場合は、自分だけでの対策は非常に困難です。
● 職場の雰囲気
● 職場の労働環境
● 人員体制
そのような場合は、
- 上司に環境改善を相談する
- 難しければ異動を検討する
- それでも厳しければ転職も視野に入れる
といった対策が有効です。



伝える時は、感情ではなく業務上の課題として話しましょう
まとめ|鑑査が遅くても、あなたの価値は下がらない
鑑査が遅いと感じると、不安になったり、自信を失ってしまうことがあります。
しかし、鑑査は薬剤師業務の中でも患者さんの安全を守る最重要工程です。



慎重になる姿勢そのものは、決して悪いことではありません
鑑査が遅いと感じたら、その原因が
● 自分にあるのか
● 環境にあるのか
を考えてから行動してみてください。
「自分にある」と感じるならば、本記事の『鑑査の対策』を試してみてください。
「環境にある」と感じるならば、自分だけで解決するのは困難ですので、
● 環境改善の相談
● 異動
● 転職
といった選択肢も視野に入れる必要があります。
大切なのは、自分に合ったやり方と環境を選ぶことです。
本記事が、あなたが無理なく鑑査に向き合い、安心して薬剤師として働き続けるための一助になれば幸いです。
他にも薬剤師の悩みの解決になる記事をたくさん紹介して居ますので、ぜひあわせてご覧ください↓↓






