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    【実体験】薬剤師がインフルなのに出勤させられる…「熱が下がったなら来られる?」が普通ではない理由と、体調より営業を優先する会社の正体

    薬剤師がインフルなのに出勤させられる…「熱が下がったなら来られる?」が普通ではない理由と、体調より営業を優先する会社の正体

    インフルの診断が出てるのに、「熱が下がったなら来られる?」って言われた。
    人がいないのは分かるけど…

    これって普通なの?

    いいえ。普通ではありません。

    ですが、実際そういう職場が存在するのも事実です。

    「この会社、ブラックだな」と感じたあなたの感覚は、正しいです。

    本記事では、出勤をお願いする側も経験した私が、体調への配慮が必要な状況でも出勤を求められてしまう理由と、そのときの具体的な対処法を紹介します。

    この記事の結論
    • 当たり前だが、インフルは解熱後すぐに出勤すべきじゃない
    • 出勤を余儀なくされるのは、会社の人員配置体制の影響が大きい
    • 対処は「医師の判断を根拠に」「頑張れば行けそうは”行かない”」「やり取りを記録」の3つ
    • 「体調より営業を優先する会社」は、異動では解決しない。残るかどうかを考える段階

    私は、インフルエンザなのに出勤がOKになっている場面を、現場で実際に見てきました。

    そして管理職として、「人がいないから出てほしい」という圧が、どこから生まれるのかも知っています。

    この記事では、法律の解釈はしません。

    自社の勤怠ルールや指示系統の細かい部分も書きません。

    実際に見たこと、なぜそうなるのかの仕組み、そして自分を守る方法を、順番に書いていきます。

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    書いている人

    ●『薬師のお悩み図書館』館長

    ●薬剤師歴7年目/管理薬剤師・マネージャー経験あり

    ●10店舗以上で勤務(応援を含めると50店舗超)

    ●管理薬剤師の立場で1年間の育休を取得

    ●経験の中でつらい悩みは数知れず

    目次

    「大前提」インフルエンザでの出勤は、本来するべきではない

    大前提・インフルエンザでの出勤は本来するべきではない、薬局は重症化しやすい人が来る場所

    まず、大前提を確認しておきます。

    当たり前のことですが、インフルエンザと診断されたら、出勤するべきではありません。

    学校では、学校保健安全法で「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」が出席停止の基準とされています。

    一般の職場にこの基準をそのまま義務づける法律はありません。

    しかし、厚生労働省も、症状があるうちは外出を控えるよう案内していて、多くの職場がこの学校の基準を目安にしています。

    ポイントは、ご存じの通り「熱が下がった」は「感染力がなくなった」ではないということです。

    解熱後も、しばらくはウイルスを排出していると一般に言われています。

    だから「熱が下がったなら来られる?」は、医学的な根拠がある言葉ではありません。

    薬局は、感染させたら重症化する人が来る場所

    薬局は感染させたら重症化する高齢者・妊婦・乳幼児が来る場所

    そして、薬局という場所の特殊性があります。

    窓口に来るのは、こういう人たちです。

    ● 高齢の患者さん

    ● 妊婦さん、乳幼児を連れた親

    ● 抗がん剤や免疫を抑える薬を使っている人

    ● 心臓や呼吸器、糖尿病などの基礎疾患がある人

    インフルエンザにかかったら重症化しやすい人が、毎日、目の前に並んでいます。

    そこに、インフルエンザ解熱直後の薬剤師が立つ。

    「薬をもらいに来て、インフルエンザをもらって帰る」が、現実に起きうる構図は、矛盾を抱えたものです。

    この記事では、出勤停止の法的な義務について断定はしません。職種や状況で扱いが変わるためです。
    判断の根拠は、受診した医師の指示と、厚生労働省などの公開情報に置いてください。

    それでも出勤させられる…薬局で実際に見た2つの場面

    それでも出勤させられる…薬局で実際に見た2つの場面のインフォグラフィック

    ここからは、私が実際に見た場面を書きます。

    時期や店舗が特定されないように、一般化してあります。

    ⇧目次へ戻る

    ①「熱が下がったから」で、出勤がOKになっていた

    「熱が下がったから」という理由でインフル後の出勤がOKになっていた薬局の場面

    インフルエンザと診断された薬剤師がいました。

    数日して、熱は下がった。

    でも、診断からの日数はまだ、学校の基準で言えば出席停止の期間内でした。

    それでも、「熱が下がったなら」という理由で、出勤がOKになっていました。

    本人も、周りも、「まだ早いんじゃないか」と感じていたと思います。

    でも、誰も買われる人がいないことは、周りもわかってはいます。

    当人もマスクをして、手を消毒して、できる限りのことはしていました。

    でも「何とかならないものだろうか…」とやる得ない気持ちになったのを覚えています。

    ⇧場面の一覧へ戻る

    ②流行期、高熱が出ていそうな人に「今日は元のシフトで頑張って」

    流行期に高熱が出ていそうなスタッフへ「今日は元のシフトで頑張って」と頼むしかなかった管理者

    もうひとつは、私のマネージャー時代、インフルエンザの流行期のことです。

    明らかに顔色が悪く、高熱が出ていそうなスタッフがいました。

    本来なら、すぐに帰して受診させるべき状態です。

    私はまず、代わりに入れる人を探しました。しかし、

    • 元々人員不足だったこともあり、代わりが見つからない…
    • 流行期で他の店舗も同じ状況、応援も呼べない…

    上司にも掛け合いましたが、出た判断は「元々のシフトの時間は、その人が頑張る」でした。

    そして私は、その判断を本人に伝え、「どうにか頑張ってもらえないか」とお願いしました。

    その人は受診をシフト後に回し、その日ずっと窓口に立ち続けました。


    誰かが悪意を持って決めたわけではありません。私も、上司も、です。

    それでも「体調より営業」が優先される結果となってしまいました。

    探しても、掛け合っても、会社の体制の前ではどうにもできなかった。
    今思い出しても、歯がゆい経験です。

    ⇧場面の一覧へ戻る

    なぜこうなるのか|「人が足りない」で体調より営業が優先される仕組み

    「人が足りない」で体調より営業が優先される仕組み3つのインフォグラフィック

    ここまで見てきて

    おかしいと分かっているのに、なぜ止められないのか?

    と感じる方が大半だと思います。

    しかし、現場で働いているだけでは、この理由はなかなか見えません。

    ここからは、本部側も経験した私が内側で見てきた「止められない仕組み」を感じたまま紹介します。

    ⇧目次へ戻る

    人員は売上・枚数で決まり、「予備」はいない

    薬局の人員は売上・枚数で決まり予備の人員はいない仕組み

    多くのチェーンでは、店舗の人員は「この売上・枚数なら薬剤師○人」という基準で配置されます。

    その人数は、全員が出勤している前提でぎりぎり回る数であることがほとんど。

    「誰かが休んでも回る」ための予備の人員は、最初から計算に入っていません。

    処方内容の重さや人員のレベル感などは考慮されていない場合も。
    欠員問題が深刻になることも少なくありません。

    だから、一人休むと、「休む=営業に穴が開く」になります。

    ⇧仕組みの一覧へ戻る

    流行期など集団欠勤の場合は、人員確保できない

    流行期は全店舗が同じ状況で集団欠勤の人員確保ができない

    普段なら、欠員が出れば他店舗から応援を呼べます。

    でも、風邪やインフルエンザの流行期は、どの店舗も同じ状況です。

    応援を出せる余裕のある店舗が、どこにもない。

    たまにの欠員はかろうじて回りますが、流行期に一気に破綻します。

    元々ぎりぎりで組んでいる場合、集団で欠員が出ると今いる人数で回すしかなくなります。
    この結果、調剤過誤が発生するリスクは格段に上がります。

    ⇧仕組みの一覧へ戻る

    管理者は「出てほしい」と言わざるを得ない立場にいる

    管理者は感染リスクを抱えて営業するか閉局して責任を問われるかの二択を迫られる

    ここは、管理職側の話を正直に書きます。

    管理者も、インフルエンザの人を出勤させてはいけないことは分かっています。

    それでも「出てほしい」という言葉が出てくるのは、休ませた場合に起きることが、はっきり見えているからです。

    ● 患者さんを断るか、閉局するしかなくなる…

    ● 閉局は、本部から「なぜ回せなかったのか」と問われる…

    ● 薬剤師が一人もいない時間帯ができ、調剤ができなくなる…

    つまり管理者は、「感染リスクを抱えて営業する」か「閉局して責任を問われる」かの二択を、その場で迫られています。

    どちらを選んでも、正解はありません。

    この二択を管理者に押しつけているのは、予備をゼロにした会社の設計です。

    じゃあ、管理者を責めても意味がないってこと…?

    管理者が変わっても、同じ二択が降ってくるだけです。
    問題は「誰が言ったか」ではなく、「言わざるを得ない設計になっているか」なんです

    ⇧仕組みの一覧へ戻る

    出勤を求められたときの対処3つ|自分と患者さんを守る

    インフルで出勤を求められたときの対処3つ・自分と患者さんを守るインフォグラフィック

    ここからは、上司から「出勤できる?」と言われたときの、具体的な返し方を紹介します。

    「職場も大変だもんな」と、自分がつらいのに相手を思ってしまうと断れない…

    そんな責任感の強い人にこそ、使ってほしい内容です!

    ⇧目次へ戻る

    ①受診して、医師の判断を根拠にする

    受診して医師の判断を根拠にすれば上司は出勤を覆せない

    受診したら、医師に「どのくらい出勤を控えるべきですか?」と必ず医師の指示を聞くことをおすすめします。

    これは私自身、コロナで2回実感したことです。

    1回目は医師とろくに話さず、その後上司に「熱も下がったしどうですか」と聞いたら「すぐ出勤していい」とあっさり言われました。

    別の機会では、医師からもらった「解熱後◯日間は休んでください」という指示を上司に伝えました。

    すると——何も言い返されず、二つ返事で了承されました。


    つまり、「医師に出勤を止められている」と伝えられたとき、上司がそれを覆すことは、まずありません。

    医師の指示を無視して出勤させて、あとで労働組合に相談されたら——
    上司にとって、これほど面倒なことはないですからね

    だからこそ、受診したときは「どのくらいで出勤していいか」を、必ず医師に確認しておくと、その言葉があなたを守ってくれる根拠になりますよ。

    ⇧対処の最初へ戻る

    ②頑張れば行けそうは「行かない」

    頑張れば行けそうならまだ治っていないので行かない・自宅で休む薬剤師

    いざ上司から「熱が下がったなら来られる?」と聞かれると、なんだかんだうまく言いくるめられて出勤する方向になったことありませんか?

    そんな時に思い出してほしい心持ちとして

    頑張れば行けそう、、
    そう感じているなら「行かない」

    ということです。

    「頑張れば行ける」は、裏を返せば「頑張らないと行けない」。

    つまり、まだ治っていないということです。

    解熱後もしばらくはウイルスを排出していますから、あなたが頑張って立った窓口で、持病のある方や高齢の方に感染させるリスクが残ります。

    この基準を先に決めておけば、上司への返事は「症状がまだ芳しくなくて」の一言で済みます。

    「頑張らないと行けない」状態は、良くなっていないのですから、事実をそのまま伝えているだけです。

    ⇧対処の最初へ戻る

    ③やり取りを記録する

    出勤を求められたやり取りを日時・相手・言葉・医師の指示とともに記録する薬剤師

    もし「出勤を求められた」という事実に疑問が残るのであれば、記録を残しておくことをおすすめします。

    ● 日時と、誰から、どういう言葉で言われたか

    ● 自分が伝えた症状と、医師の指示

    ● 結果として出勤したのか、休めたのか

    チャットやメールで言われたなら、そのまま保存します。

    これは誰かを告発するためではなく、何かあった時の提出材料として保存しておくためです。

    あとになって「あのとき、こういうことがあって嫌だった」と伝えようとしても、記録がないと「そんなこと言ったっけ?」で終わってしまいますからね

    ⇧対処の最初へ戻る

    「体調より営業を優先する会社」は、異動では解決しない

    体調より営業を優先する会社は異動では解決しない・会社全体の人員設計の問題

    ここまで読んで、

    うちの会社、まさにこれだ…!

    と思った人へ。

    はっきりと言いますが、私の経験上、この問題は、異動では解決しません。

    人間関係の悩みなら、店舗を変えれば相手が変わります。しかし、

    • 一人休んだら回らない人員設計
    • そしてそれを許している事実

    これは、店舗ではなく会社の構造全体の問題である可能性が高いです。

    それでも、この会社にはいい所もあるから

    と納得して働けるなら、それも一つの答えです。

    でも、「この先もここでやっていけるのだろうか」という不安が少しでもあるなら、他の薬局を見てみる時期に来ているのかもしれません。

    次に倒れるのは、自分かもしれないのですから

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    よくある質問(FAQ)

    ここからは、インフルエンザや体調不良で休めない悩みについてよくある質問に回答していきます。

    インフルエンザで出勤を求められるのは、違法ですか?

    季節性インフルエンザについて、一般の職場に出勤停止を義務づける法律はなく、この記事では法的な断定はしません。

    ただし、会社には従業員の安全や健康に配慮する責任があり、医師が出勤を控えるよう指示しているのに出勤を強いることは、その責任との関係で問題になりえます。

    法的な判断が必要なら、労働局の総合労働相談コーナーなどの公的な窓口に相談してください。

    熱が下がったら、出勤していいですか?

    「熱が下がった」と「感染力がなくなった」は別です。解熱後もしばらくはウイルスを排出していると一般に言われていて、学校では「発症後5日かつ解熱後2日」が出席停止の基準です。

    多くの職場がこれを目安にしています。出勤の判断は、受診した医師の指示を根拠にしてください。

    「熱が下がったなら」は医学的な根拠のある言葉ではありません。

    診断書があれば、休めますか?

    診断書や医師の「出勤を控えるように」という指示は、いちばん強い根拠になります。会社は、医師の指示に反して出勤させたという形を避けたがるからです。

    「私が休みたい」ではなく「医師に止められている」という形にしてください。

    それでも出勤を求められるなら、その会社は体調より営業を優先する設計だと判断してよい状態です。

    「人がいないから」と言われたら、どう断ればいいですか?

    「行けません」だけでは「なんとかならない?」が返ってきます。

    「まだ咳と倦怠感があり、医師から○日まで出勤を控えるよう言われています。

    この状態で窓口に立つと高齢の患者さんに感染させるリスクがあり、監査の精度も落ちます」と、症状・医師の指示・患者さんへのリスクをセットで伝えてください。

    「患者さんへの感染リスク」は、管理者がいちばん無視できない言葉です。

    インフルで休んだら、評価が下がりますか?

    本来、医師の指示で休んだことを理由に評価を下げるのは筋が通りません。

    もし下げられたなら、それは会社側の問題です。

    出勤を求められた日時・言葉・自分が伝えた症状・医師の指示を記録しておけば、「会社側の判断がおかしかった」ことを示す材料になります。

    そして、病気で休んで評価が下がる会社は、異動で解決する問題ではないので、残るかどうかを考える段階です。

    薬剤師がインフルで出勤すると、患者さんにどんなリスクがありますか?

    薬局の窓口に来るのは、高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、乳幼児、免疫を抑える薬を使っている人など、感染したら重症化しやすい人たちです。

    そこにインフルエンザの薬剤師が立てば、「薬をもらいに来て、インフルエンザをもらって帰る」が現実に起きえます。マスクや消毒は必要ですが、「できる限り」で済ませていい相手ではない人が目の前に来る、ということを忘れないでください。

    休むと周りに迷惑がかかるのが申し訳ないときは?

    その申し訳なさは、あなたの責任感の表れで、悪いものではありません。

    ただ、一人休んだだけで回らなくなるのは、あなたのせいではなく、予備をゼロにした人員設計のせいです。

    そして、無理に出勤して患者さんや同僚に感染を広げるほうが、はるかに大きな迷惑になります。

    「休むことで守れる人がいる」と考えてください。

    こういう会社は、うち以外にもありますか?

    あります。私自身、インフルエンザなのに「熱が下がったから」で出勤がOKになる場面と、流行期に高熱が出ていそうな人が「代わりがいないから」とシフトの時間まで働く場面を、実際に見てきました。

    ただし、「どこも同じ」ではありません。

    欠員に備えて応援専門の薬剤師を置く会社や、感染症のときの方針を決めている会社も実在します。

    体調不良で休めないことを理由に転職するのは、甘えですか?

    甘えではありません。

    「体調より営業を優先する会社」は、社員を雑に扱う方針そのものであり、異動では解決しない会社全体の設計の問題です。

    「インフルエンザでも出勤させられた」は、退職理由として世間に普通に通ります。

    医療従事者として、患者さんに感染させない環境で働きたい、というのは正当な理由です。

    面接で、前職の体調管理の問題をどう伝えればいいですか?

    「インフルでも出勤させられた」と前職の悪口のように話すのは避けてください。

    「前職は人員に余裕がなく、体調不良でも休みにくい環境でした。

    患者さんの安全のためにも、欠員時の体制が整った職場で働きたいと考えています」のように、前向きな希望の形に言い換えるのが安全です。

    本当の理由はエージェントの担当者にだけ伝えておけば、面談の段階で人員に余裕のない会社を候補から外してもらえます。

    まとめ|インフルでも出勤させる会社は、普通ではない

    まとめ・インフルでも出勤させる会社は普通ではない、まずは自分を労って外の基準を確かめる

    「うち以外にも、こんな会社あるのかな」と検索したあなたへ。

    あります。そして、普通ではありません。

    おかしいと感じたその感覚を、「人がいないから仕方ない」で押し殺さないでください。

    そして今の問題は、直属の上司が悪いというよりも人材配置を絞っている会社に原因がある可能性が高いです。

    このタイミングで、将来の自分がいるべき場所を再確認してみましょう。

    転職にはリスクがありますが、転職活動にリスクはありません。

    どれも無料で、合わなければ断ればいいだけです。

    迷っている段階でも使えるので、まずは「一人休んでも回る会社が、実際にあるのか」を外の基準で確かめるところから始めてみてください。

    人がいない中で、患者さんのことを考えて踏ん張ってきた自分を、まず労ってあげてくださいね

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